Postscript

編集後記のようなライター(音楽)のブログ

映画

『ゴーン・ガール』虚構であろうと実体としてタフに生きることの哲学を描いたフィンチャーの問題作

『セブン』『ファイトクラブ』『ドラゴン・タトゥーの女』などの話題作でも知られる映画監督デヴィッド・フィンチャー。初期作品はミラクルなロングショットや独自のカメラアングルで圧倒的な視覚体験と衝撃的な結末でマニアックな人気を博していたが、近作…

『海街diary』的な感動を期待してはいけない!『万引き家族』という「不可視(invisible)」な人々の物語。

『誰も知らない』『そして父になる』の流れを汲む作品 第71回カンヌ国際映画祭にて最高賞であるパルム・ドールを獲得した『万引き家族』。その華やかな話題から、自ずと『海街diary』を超える傑作」という印象を持つかもしれない。華やかでなくても、「万引…

クィーンの伝記映画『オペラ座の夜』2018年11月公開決定

クィーンか?ツェッペリンか? 中二の夏休み。 個人的な思い出ばなし……中学2年生の夏休みのこと。 近所に住むN君という同級生と一緒にレコードを買いに 駅前の松井楽器というレコード屋へ行った。 僕が手にしたのはレッド・ツエッペリンの『プレゼンス』、 N…

『沈黙』の源泉、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に

島原・天草一揆の舞台となった原城跡や、信仰を集めた平戸の聖地と集落などが対象 マーティン・スコセシ監督の映画(原作・遠藤周作)『沈黙』の物語のベースとなる、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されることになった(201…

『ロスト・イン・スペース』よりも『ウェストワールド』。

SNSでの勧誘がすごかったNETFLIXで『ロスト・イン・スペース』を、つい観てしまったが、とんだファミリー映画でずっこけた。 SFアドベンチャーだけど最終的には主人公達の成長と家族の絆がテーマ……。 これは1960年代の米テレビシリーズ『宇宙家族ロビンソン…

HIP HOPの黎明期を体感するならNetflixの「ゲット・ダウン」と酒井Pはいった。

Netflixに契約している人がどれだけ居るかわからないが、Netflixのオリジナル映像コンテンツ「ゲット・ダウン」は契約の理由になる映像作品だ。荒廃した1970年代のニューヨークのゲットー(貧困地区)サウス・ブロンクスを舞台に、HIP HOPに熱狂する若者達を…